2014年2月アーカイブ

有病率と人種との関係をみると、白人や黒人より黄色人種(とくにモンゴロイドやアーリア系人種)のほうが2型糖尿病の有病率が高いことが確認されています。

たとえば、北米アリゾナ州の先住民族であるピマ族は、その40%(一時期は60%以上)が糖尿病を発病するそうです(ただし、まったく糖尿病にならないタイプも同じくらいいるそうです)。

また、シンガポールのインド系住民(34%)、同マレー系住民(23%)、モーリシャスのイスラム系種族(25%)、同インド系種族(22%)なども比較的有病率の高い例です。

日本では、糖尿病患者とその予備軍を合計して総人口の10分の1ほどですから、まだ開きがありますが、世界レベルでみると決して低いほうではありません。

同じ国内でも、沖縄県や福岡県の糖尿病有病率は国内平均を上回っています。

ちなみに、患者数第一位はインドで3200万人、第二位は中国で2300万人です。

アジア人と欧米人との間には、インスリン分泌能力やインスリン感受性の差があること、そのため肥満の程度や2型糖尿病のなりやすさに差があることはわかりました。

しかし、からだに害悪を与えることがはっきりしているのに、どうしてからだは余分な内臓脂肪を排除しないのでしょう?

それを説明するのが「倹約遺伝子」の仮説です。簡単にはえられない栄養は大事に蓄え、少しずつ使うという倹約体質が人類共通に備わったためと考えるのです。